最初、シスコにいる時の
「ネイサン・オールグレン(トム・クルーズ)」は
殆どうだつの上がらない
アル中の退役軍人の様で
『...コレからどうなるんだろう?何か失敗作!?』
なんて少々心配だったのですが
似た立場である
「勝元 盛次(渡辺 謙)」と出逢って
『武士道』という心を知り
最後まで戦い続けた
オールグレンの移り変わる心意気が
とても頼もしく伝わって来ました
何と言っても素晴らしかったのが
戦いのシーン!
日本の刀は『斬る』為に作られているから
絵柄的には首が飛んだり
血が吹出したり
グロテスクに見られがちだけど
それ以上に役者さん達の立ち振る舞いが華麗です
鉄砲に引けを取らない程の
素晴らしい弓矢の働きや
剣の心を持ってしても難しいと言われる
「二刀流」を美しくこなす
オールグレンと勝元に魅了されました
勝元の妹「たか(小雪)」とオールグレンが
互いに少しずつ惹かれあっていく
プラトニックな感情の移り変わりも
良く出来ていたと思います
(たかは夫をオールグレンに殺されているので)
勝元の右腕であろう「氏尾(真田 広之)」の
出番が少なかったのが
ちょっと寂しい気もしますが
美味しいトコロにはキチンと押さえてましたネ!
一番印象に残っているのは
通称「ボブ(オールグレンが命名)」
と呼ばれる「寡黙な武士」
今大変話題になって居られる
44年間2万回以上も斬られ役を演じて来た
「福本 清三」さんの本当に寡黙な演技でしょう
台詞は一言もなし
言ったとしても『あー』とか『うー』とか
その位なんだけど、素晴らしい存在感
周りの空気が違うと言うか
本当にサムライが銀幕に現れたのではないか?
そんな風に思わせる程でした
最後にガトリング・ガンで致命傷を負わされ
桃色の花が舞う中
武士道を貫いたまま味方の剣で散って行く
勝元の今際の際から
帝国陸軍が、その死を悼み頭を垂れるシーンでは
涙が止まらずハンカチのお世話に
西洋文化を渇望して止まなかった天皇が
最後に見せた一筋の涙
その時代、神と詠われている者の
人間としての感情を観た気がしましたネ
¥1,000-で観に行ったのですが
これなら¥1,800-出してもイイかも?
ただ、残念だったのが
やっぱり観ている最中に
ケータイの画面をちらつかせる輩が居たコト...
武士道の映画を観に来る資格があるのかと
疑問に思いました
PR