とてもリアルでした。
自分の身にも起こるかも知れないと言う
恐怖感・深刻感・身につまされる気持ち
あまりにも辛くなって
席を立とうと思ったコトも何度か...
コレは、立場は違うけれど
先日まで母が入院していたと言う事実と
今まさに大変な立場に居るとある人への気持ちが
入り交じってしまったんだと思います。
もし、今後伴侶が見つかったとして
あの夫婦の様に、
どんな状況も我慢して
支え合うコトが出来るだろうか?
衝突しながらも家族として
気持ちを育んでいけるだろうか?
ウチの両親はきっと大丈夫
お互いに信頼し合っているから。
自分もそんな相手と巡り会いたいと思いました。
全体的にはとても美しい作品
やはり、夫婦の愛と信頼を描いているので...
佐伯の心の葛藤が
この作品の動の部分でしょうか?
ソレ以外は静かに淡々と綴られていました
しかし、心に重くのしかかって来るのです。
渡辺謙さんと樋口可南子さんの
全ての演技が演技ではなく
お互いの身体を張ったリアクションが
自然に出て来た行動の様な気がしました。
吉田医師(ミッチー)の
『僕には出来る事がある
僕は自分に出来る事がしたい
あきらめないでほしい』
枝実子さん(樋口可南子)の
『私が居ます
私がずっと傍に居ます』
菅原のじいさん(大滝秀二)の
『生きていりゃいい』
娘...梨恵さん(吹越一恵)の結婚式
会社の人達が
退職をする佐伯に贈った写真
アルツハイマーであるコトを
社長にリークした部下(田辺誠一)が
影で一礼をするシーン
とても良い人だと思っていた
陶芸家木崎(木梨憲武)の裏切り
(ただのうっかり間違いだったのかも?)
他にも様々なシーンに胸を打たれました。
アルツハイマーが進行し
枝実子さんにやってはいけないコトを
行ってしまった絶望から
養老ホームへの見学へ行った佐伯。
そのホームには
『東京ラプソディ』を歌いながら
楽しんでいる老人達が居ました。
ちょうど父と同じ世代の人達が
こうやって生きているんだな...と思うと
また感慨深くなり
病院から無事に退院した母への喜びと
感謝の気持ちがありました。
懐かしい場所で
懐かしい人に逢った
そしてその人と一緒に
最愛の人の名前を入れたコップを焼く時の
佐伯の眼の輝きは
仕事をしていた
『ビシッと行こう!』
...と、口にしていた頃のモノだったと思います。
ソレは最後の輝きだったのでしょうね...。
そして、最愛の人の名前さえも忘れてしまう。
その時の枝実子さんの悲しみ...想像出来ません。
色々な感情が入り交じって
作品通して泣き通しでした。
一段落ついてホッとすると
またブワァァァッッと涙が出て来る...
ずっとそんなカンジで観てました。
余談ですが
ご飯だけを食べてふて寝をした佐伯のトコロに
帰宅した枝実子さんが顔を見せた際
寝返りを打って枝実子さんの膝に抱きついた
佐伯が子供の様でとても可愛らしかったです。
病状が進行していく間
少しずつ少しずつ子供に戻っていくのでしょうか?
徐々に感情を剥き出しにしていく様を観て
そんなカンジを受けました。
金額的には
¥1,800-以上出してもイイくらいだと思いました
パンフレットも買ったし
帰宅後に両親にも薦めた程です。
自分が両親に観て来た映画を薦めたのは
『ラスト・サムライ』以来.....
.....そう言えば、アレも渡辺謙さん出てた。
ともかく、素晴らしい作品でした。
大島ミチルさん作曲の
宮本文昭さんがオーボエで奏でる
テーマソングも素晴らしかったです
このお二人って絶対ゴールデンコンビ。
やっぱり最近の邦画侮れない...(汗)
きっとDVDも買います。
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